美人の湯とは?
美人の湯と言う言葉がある。この語感からするとお肌がつるつる、すべすべになる温泉のことだろうか。アルカリ性の温泉は成分の薄い単純泉であってもぬるぬるする。これはお肌に良さそうだ。箱根の湯本温泉で萬翠楼福住と言う素晴らしい木造建築の宿があるが、ここのお風呂の温泉はアルカリ性でたしかにぬるぬるする。
それでは逆に酸性の強い温泉はお肌が溶けてしまうと言えばそうでもない。一晩で10円玉が溶けてしまう草津温泉は酸性の強さで有名だが、入ってもお肌はむしろつるつるになる。
ここで酸化、還元電位の話しになる。人の肌は還元系の状態が保たれている。一方水道水など塩素殺菌している水は酸化している。酸化=老化、還元=新鮮と考えて良い。人の肌は老化すると共に酸化していくことになる。老化とはエージングであり、これを防止するアンチエージング作用が還元系の温泉にはある。ただ還元系の温泉であっても、源泉から遠ければ遠くなり、酸素に触れれば触れるほど酸化状態が進み、老化が進んで行くことになる。
しかし、この酸化の進み具合はそれぞれの温泉の泉質によって異なり、A温泉は源泉と浴槽が近いのに老化が進んでいたが、B温泉は源泉から浴槽への距離が長く、途中で何度もポンプアップしているが、老化はぜんぜん進んでいないと言う現象がおこることもある。
さて、美人の湯とはずばり還元状態が保たれている温泉であると言えると思う。新鮮な温泉はまさに天然のローションであり、それは瓶につめて置いて時間がたっても効力はなくなってしまう。
新鮮な温泉に入ることがお肌にも良いのだ。そして新鮮な温泉かどうかを判断するのはORP検査と言うことになる。従って、良く言われる玄関よりも下に行けば本物の温泉とか、玄関から遠ければ本物などと言うことはナンセンスなのである。
こんにちは。温泉のことを勉強させていただきました!
酸化系、還元系については、本で少し勉強しました。
>美人の湯とはずばり還元状態が保たれている温泉であると言えると思う。新鮮な温泉はまさに天然のローションであり、それは瓶につめて置いて時間がたっても効力はなくなってしまう。
そうですね。いかに温泉の鮮度をたもつかは難しく、日々、勉強しないとだめですね。
投稿: ■温泉旅館の経営者が教える旅館選び■の松田 | 2006-03-07 17:05